たくさんの情報が並んだ紙面の中から、特定のターゲットだけを探して印をつける課題を「抹消課題」と呼びます。
抹消課題は、リハビリテーションや認知機能トレーニングなどで用いられている課題の一つです。紙面の中から決められた対象を探すことで、選択性注意や持続性注意、視覚探索などの認知機能を使います。
今回は、標準的なレベルよりも数字を密集させ、より多くの視覚情報の中からターゲットを探す、難しいレベルの無料プリントを作成しました。
「視覚情報の中から特定のものを探す課題に取り組みたい」「基本レベルよりも少し難しい課題に挑戦したい」という方におすすめです。
ダウンロードはこちら!
無料で印刷できる、ランダム配置の記号抹消プリントです。
1つのPDFに、記号が多めのプリントが4種類入っています。
A4サイズ・PDF形式で、すぐに印刷して使えます。
ダウンロードはPDF画像下にあります。
このプリントの特徴
人は、たくさんの視覚情報の中から、必要な情報に注意を向けながら周囲を見ています。
本プリントでは、基本レベルよりも数字を密集させています。
そのため、目的の数字を探すために、周囲の数字を確認しながら紙面を広く探索する必要があります。
「どこにあるか」を探すだけでなく、「見つけた数字が本当にターゲットか」を確認することも必要です。
この課題で使う主な認知機能
選択性注意
たくさんの数字の中から、決められた数字に注意を向けて探します。
周囲に多くの情報がある中で、必要な情報を選んで処理する力を使います。
持続性注意
紙面全体を確認しながら、最後まで課題に取り組みます。
途中で集中が途切れないように、一定時間注意を持続させる必要があります。
視覚探索
紙面の中を順序立てて見渡し、目的の数字を探します。
左から右、上から下など、一定の方法で探索すると、見落としを減らしやすくなります。
数字の識別
似た数字や周囲の数字に注意しながら、目的の数字を見分けます。
「見つけた」と思った数字が本当にターゲットかどうかを確認する必要があります。
処理速度
「見る」→「ターゲットか判断する」→「印をつける」という作業を繰り返します。
慣れてきたら、正確さを保ちながら、どのくらいの時間で終えられるかを確認することもできます。
日常生活とのつながり
日常生活では、たくさんの情報の中から必要なものを探す場面があります。
例えば、
- 買い物メモの中から必要な商品を確認する
- 書類の中から必要な数字や項目を探す
- カレンダーから予定を確認する
- 表や一覧の中から目的の情報を見つける
- 説明書や案内の中から必要な部分を探す
といった場面です。
本課題は、こうした日常生活の能力を直接改善することを保証するものではありません。
一方で、複数の視覚情報の中から決められた対象を探す課題として、視覚探索や注意を使う練習に活用できます。
基本レベルとの違い
基本レベルでは、数字の配置が比較的見つけやすい構成になっています。
今回の難しいレベルでは、数字をより密集させています。
そのため、目的の数字を探すために、より多くの数字を確認しながら紙面を探索する必要があります。
基本レベルに慣れてきた方や、もう少し難しい課題に挑戦したい方におすすめです。
ただし、難しい課題が必ずしも適しているとは限りません。
見落としが多すぎる場合や、強い疲労を感じる場合は、基本レベルに戻って取り組むことも大切です。
挫折しないための取り組み方
このプリントは、基本レベルよりも数字が密集しているため、最初から速く終わらせようとする必要はありません。
まずは、正確に探すことを意識して取り組みましょう。
1. 探す数字を確認する
まず、今回探すターゲットの数字を確認します。
「何を探すのか」を意識してから始めることで、別の数字を間違えて選ぶことを防ぎやすくなります。
2. 探索する順番を決める
紙面全体を適当に探すのではなく、一定の順番で確認するのがおすすめです。
例えば、
- 左上から右へ進む
- 1行ずつ上から下へ確認する
- 紙面をいくつかの範囲に分けて探す
などの方法があります。
自分が見落としにくい方法を探してみましょう。
3. 見つけた数字に印をつける
ターゲットを見つけたら、印をつけます。
印をつける動作が難しい場合は、指で指し示すだけでも構いません。
4. 正確さを意識する
急いで探すと、見落としや間違いが増えることがあります。
最初はスピードよりも正確さを意識しましょう。
慣れてきたら時間を測り、正確さと速さの変化を確認することもできます。
取り組み方の工夫
数字が密集していて探しにくい場合は、紙面全体を一度に見ようとする必要はありません。
以下のような方法を試してみましょう。
- 指や定規で1行ずつ確認する
- 紙面をいくつかの範囲に分ける
- 左上から順番に探す
- 途中で短い休憩を入れる
- 難しい場合は基本レベルに戻る
どの方法が自分にとって探しやすいかを考えながら取り組むことも、この課題の一つのポイントです。
活用のアドバイス
1回10〜20分程度を目安にする
長時間続けると疲れを感じることがあります。
一度にすべて終わらせようとせず、疲れたら休憩しましょう。
短時間で区切って取り組む方法もおすすめです。
見えにくい場合は拡大する
数字が小さくて見えにくい場合は、A3サイズなどに拡大して印刷する方法もあります。
視力や見え方に合わせて、無理のない大きさで取り組んでください。
体調に合わせて難易度を変える
寝不足や疲労があるときは、いつもより課題に取り組みにくいことがあります。
そのような場合は無理をせず、基本レベルなど、取り組みやすい課題に変更しましょう。
こんな方におすすめです
- 基本レベルの記号抹消課題に慣れてきた方
- もう少し難しい視覚探索課題に挑戦したい方
- 数字の中から特定の数字を探す課題に取り組みたい方
- 注意力を使う脳トレを探している方
- 高次脳機能障害や注意障害のリハビリ課題を探している方
- デイサービスや介護施設のレクリエーション教材を探している方
- 自宅でできる認知機能トレーニングを探している方
ご家族・介護者・支援者の方へ
高齢者や高次脳機能障害、注意障害のある方が取り組む場合は、課題の難易度や疲労の程度を確認しながら進めてください。
取り組むときは、以下のような点を意識するとよいでしょう。
- 最初は時間を測らず、正確さを重視する
- 疲れが見られたら休憩する
- すべて終わらなくても無理に続けない
- 見つけられた数や取り組めた時間にも注目する
- 必要に応じて指や定規を使う
- 視力に不安がある場合は拡大印刷を検討する
課題の結果だけでなく、「どのような方法で探していたか」「どの場所で見落としが多かったか」なども、取り組み方を考える参考になります。
ただし、家庭でのプリント課題の結果だけで認知機能の状態を判断することはできません。
最後に
この記号抹消課題・数字ランダム(難しい版)は、数字が密集した紙面の中から、決められた数字を探す課題です。
基本レベルよりも多くの視覚情報を確認する必要があるため、選択性注意や持続性注意、視覚探索、数字の識別などを使いながら取り組みます。
最初から速く、正確にすべてを終わらせる必要はありません。
「どの順番で探すと見つけやすいか」「どのくらい集中して取り組めるか」を考えながら、自分のペースで進めてみてください。
難しすぎると感じた場合は、基本レベルに戻っても問題ありません。
無理のない難易度で、楽しみながら取り組むことが大切です。
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